こんにちは。にこです。
肌にやさしいと言われている化粧品を使っているのに肌に刺激を感じてしまう。
そんな方に向けて、肌にやさしい化粧品をさがすと登場する界面活性剤というキーワードについてを記事を書きました!
ポイント
- 界面活性剤とは
- 合成界面活性剤の肌への影響について
- 界面活性剤との付き合い方
肌に優しい化粧品を探していると、界面活性剤というキーワードが登場してきます。
調べればすぐにたくさんの情報を入手できるのですが、たくさんの情報の中から必要な情報を探し出すことが大変ですよね。
そのため、本当に必要としている情報までたどり着かないまま良し悪しを判断してしまっていることありませんか?
肌にやさしい化粧品を探し始めた時に登場する界面活性剤とはいったいなんなのか?
私なりに勉強したことについてまとめてみました。
記事前半で界面活性剤とはなにかについて、後半は界面活性剤とどう付き合うべきかをまとめたのでお付き合いくださいね。
知ることでたくさんの化粧品の中から自分に合う化粧品、自分の肌が必要としている化粧品を選ぶヒントになると思います。
長くなりますが、お付き合いいただけると嬉しいです。
界面活性剤とは
水と油は、そのままだと混ざり合わないですよね。
そこで、水と油分などの本来混ざり合わない物質同士を混ぜ合わせる役割を果たすものが使われます。
それが、界面活性剤です。
本来混ざり合うことのできない水と油を混ぜ合わせることを可能とした界面活性剤は、洗浄剤や乳化剤としてさまざまな分野で用いられています。
なぜ、界面活性剤を使うのか?
食器洗いを例にしてみます。
炒め物や揚げ物に使った食器を洗う時に、水だけでは油汚れを落とすことは難しくありませんか?
そうなんです。
水だけでは油汚れは落ち切りません。
そのため、水と油を混ぜ合わせ汚れを浮かびやすくするために界面活性剤が使われます。
化粧品も、洗浄成分としてだけでなく、クリームなどを作るときに水と油を混ぜ合わせるために界面活性剤が使われています。
界面活性剤の歴史
界面活性剤の原点は、天然成分を原料とする石けんです。
なんと、紀元前3000年頃のメソポタミア文明で発見された粘土板に石けんの製造方法が記述されているのが発見されているそうです。
マルセイユでオリーブオイルを原料とした固形石けんが作られたのが、1300年頃だそうです。
昔からつかわれている石けんは、生分解性に優れ、環境への影響度が低いものでした。
石けんは人類が最初に作った界面活性剤です。
石けんが作られてから、体や髪、衣服を洗う洗浄剤として長い間使われています。
石けんが人にとっても環境にとっても安心な素材だということを、長い歴史が証明してくれていますね。
20世紀の初頭にドイツで石炭由来の合成界面活性剤が作り出され、その後は洗剤や化粧品に合成界面活性剤を用いたが商品が主流となりました。
石けんよりも洗浄力にすぐれ、石油由来の合成成分で大量に製造することが可能となったため世界中で飛躍的に使用量が増加しました。
しかし、大量生産され大量消費された合成界面活性剤は、分解されにくく環境への残存が大きな問題となっています。
界面活性剤の種類
界面活性剤は、大きく分けて天然由来の界面活性剤と石油由来の合成界面活性剤に分けることができます。
天然由来の界面活性剤というのは、素材に含まれるもの(卵黄や大豆のレシチン)や天然素材を掛け合わせて作るもの(例えば、水酸化Naと植物油)です。
合成界面活性剤は、石油などの原料から界面活性作用を持たせるように化学的に作られる合成成分です。
石けんは、水で洗い流すと界面活性作用を失う性質を持っています。
そのため、洗顔後にたっぷりの水で洗い流すことで肌に界面活性剤が残りません。
万が一残ってしまっても、石けんはアルカリ性なため酸によって界面活性(乳化力、洗浄力)が失われます。
もともと皮膚に酸度があり、石けんは界面活性を失います。
皮膚の酸度が弱っていてもヘチマ水などの酸性の化粧水などで石けんの界面活性を失わせることができます。
これがとっても重要なことです。
界面活性剤は水と油を混ぜ合わせる作用があります。
皮膚の上に乗り続けていると、皮脂と水分が混ざり合い肌のバリア機能を弱めてしまいます。
肌の上に界面活性剤が残らないことは、とても重要です。
ですが、皮膚に残った後も壊れない界面活性剤があります。
これが、合成界面活性剤です。
合成界面活性剤は皮脂や角質細胞間脂質に滞留して、脂質の流出の原因となります。
つまり、皮膚の健康に欠かせない皮膚のバリア機能を弱める原因になります。
合成界面活性剤の原料
多くの合成界面活性剤は石油から合成されています。
そのほか動物や植物の油、たんぱく質やアミノ酸からも合成されています。
石油原料の合成界面活性剤
合成界面活性剤のほとんどは、石油を原料としています。
もともと自然界にない化学合成成分なので、環境の中で分解しにくいのが問題となっています。
ポイント
●アルキル硫酸ナトリウム
表示名→アルキル硫酸Na
●ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングリコール(70)
表示名→PEG/PPEG-200/70 コポリマー
●ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム
表示名→パレス-硫酸Na
●エチレン・プロピレン共重合体
表示名→(エチレン/プロピレン)コポリマー
など
植物原料と石油の組み合わせで作る合成界面活性剤
植物原料と石油原料を使って作る合成界面活性剤もあります。
植物原料はほんのわずかで、ほとんどが石油原料ということもあるようです。
植物由来とうたわれる商品に、植物と石油を組み合わせて作られる合成界面活性剤がよく使われています。
ポイント
●ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド
表示名→コミカドMEA
●ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン
表示名→PEG-20 ソルビタンココエート
●ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
表示名→PEG-○水添ヒマシ油
○には数字が入ります
など
植物由来の合成界面活性剤
植物から作られる合成界面活性剤を作ることも可能です。
植物が原料ではありますが、合成成分には変わりありません。
比較的新しい合成成分なので、長期的に使用した場合の肌に対する影響がわからない部分もあるようです。
ポイント
●ココアンホジ酢酸2Na
●ヤシ脂肪酸ソルビタン
●ステアロイルグルタミン酸Na
●クエン酸ステアリン酸グリセル
●ジイソステアリン酸ポリグリセル-10
など
天然の界面活性剤
天然の界面活性剤の洗浄成分は、石けんが使われることが多いです。
乳化成分としては、レシチン(卵、大豆に含まれる)サポニン成分(ムクロジ、シャボン草に含まれる)が用いられます。
ポイント
●石けん
固形石鹸←水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)+ 植物オイル or 動物オイル
液体石鹸←水酸化カリウム+ 植物オイル or 動物オイル
●天然の界面活性剤
レシチン(大豆)
ラノリン
イネゴマメエキス
シャボン草
ムクロジ
など
合成界面活性剤の肌への影響
合成界面活性剤は洗浄成分として洗顔フォームやシャンプーに、乳化剤として乳液やクリームなどに使われることが多いです。
しかし、市販されている化粧品に合成界面活性剤が配合されていることがとても多いのです。
その理由は、使用感です。
合成界面活性剤を配合することによって、しっとり感やヌルヌル感を実現するために使われています。
乾燥肌に悩む私たちは、さっぱりとする化粧品より肌にまとわりつくようなしっとり感を求めているのかもしれません。。。
先ほども記述しましたが、界面活性剤は水と油を混ぜ合わせる作用があります。
皮膚の上に乗り続けていると、皮脂と水分が混ざり合い肌のバリア機能を弱めてしまいます。
合成界面活性剤が配合されている化粧品を使い続けることによって、皮脂や角質細胞間脂質に滞留してしまいます。
脂質の流出の原因となり、肌バリア機能を弱め乾燥を感じるという悪循環に陥ってしまいます。
慢性的に肌に乾燥を感じた状態になってしまうと、皮膚が薄くなってしまい化粧品に刺激を感じやすい敏感肌になり様々な肌トラブルが現れてしまいます。
乾燥を感じているのでクリームをたっぷりと塗ってケアしているのに、乾燥を感じている。
そんな人は化粧品の成分をチェックしてみてください。
たとえ自然界に存在する界面活性剤であっても、皮膚に残り続け合成成分に負けない界面活性作用を発揮するのであればそれは皮膚にとっては喜ばれる成分ではないと思います。
植物由来の合成界面活性剤はまだ新しい成分なので、わからない部分がたくさんあるようです。
使う時は、肌の状態を確認しながら試してみることをお勧めします。
界面活性剤との付き合い方
化粧品には界面活性剤が使われます。
顔を洗うための洗顔フォームであったり、髪を洗うシャンプー、化粧品の水分と油分を混ぜ合わせるための乳化剤として界面活性剤を使います。
では、界面活性剤とどうやって付き合っていけばよいのでしょうか?
例えば、洗顔。
毎日のスキンケアで行う洗顔ですが、その日の汚れを落とすということもとても大切なのです。
古い皮脂や角質、ほこり、汗、メイクアップアイテムなど、毎日の洗顔でちゃんと落とすことも肌に必要なことです。
水だけでは落としきることのできない汚れを界面活性剤を使いきちんと落としきることも大切です。
洗浄成分には、石けんを選ぶのがおすすめです。
そして、化粧品には合成界面活性剤がたくさん使われている物を選ばないことをおすすめします。
まとめ
たくさんの情報の中から私たちは何を選ぶかがとても重要になっています。
私たちは知ることで、たくさんの商品の中から自分が求める物、自分の肌に良さそうな商品を探し出すことができます。
界面活性剤というキーワードは、化粧品選びについてくるキーワードだと感じています。
だからこそ、界面活性剤とはどんな働きをするものなのか、どんな成分でできているのかを知り、自身の肌にあう商品を探しだすことができればよいなと思っています。
私たちはいろんな情報に惑わされることなく、商品を選ぶための知識を身に着けていかないといけない時代になっているのかもしれません。
商品のイメージ(メーカーさんの戦略)と自分が欲している物が一致しているのか、自分の目で確認することが大切ですね。